九州(黒川温泉)
とうとう黒川温泉に着いた。宿泊した「いこい旅館」は黒川温泉の入り口にあるにもかかわらず道が狭いため一方通行となっており、ぐるっと遠回りをしないといけない。しかしそのおかげで黒川温泉郷の様子を車の中から見ることができた。「人間万事塞翁が馬」なのでしょうか?(笑)
町の印象を一言で言い表せば「造られた温泉郷」。確かにここは町おこしの一環としてこのような町を造ったのであるが、それにしても秘湯などという感覚は全く感じなかった。それとやたらとOL風の方々が多いこと。いかにも女性受けするような印象を感じた。綺麗でレトロ調なところなんか特に。経営の手法として若い女性に受け入れられるようにすれば自ずと集客が上がるという法則があるが、まさにそれを実践しているようだ。だから日本の温泉人気NO1に登場するのだろうか?
いこい旅館に入り、仲居さんに三階の富士という部屋に案内される。部屋は平凡であるが落ち着く雰囲気。仲居さんから「日帰りのお客さんが沢山いらっしゃっているので宿泊者専用の貸切風呂に入ったらどうですか」とのアドバイスを受ける。早速、フロントで聞いてみるがすでに三つある貸切風呂はどれも使用中。仕方がないので混んでいる日本名湯秘湯百選に選ばれている露天風呂「滝の湯」に入る。やっぱり人がいっぱい(泣)。10分くらいであがってしまった。しかし滝の湯なのに滝から水が流れていなかった。お湯は「(白濁+黄土色)÷2」の色をしている。硫黄の香りが若干する。温度はちょうどいい。入った感想はまあまあ(爆)。普通であればいいお湯だ!っていうのだろうが最近は素晴らしい温泉に行き過ぎているせいかこのくらいだと感動がない。次に奥にある「打たせ湯」に入る。非常に浅く、座って上から落ちてくるお湯を肩や背中に当てるのにはちょうどいい。 (画像は翌朝の滝の湯)
そしてフロントに貸切風呂が空いたら連絡をもらえるようお願いし一旦部屋に戻る。10分くらいすると電話が鳴り、家族風呂が空いたとのこと。早速入る。「家族風呂」という名前だけあってちょうど四人くらいが入れる大きさ。湯の温度はやや熱め。泉質は滝の湯とほとんど同じ。内風呂特有のいい雰囲気を持っている。
そして晩飯。一階の食事処でいただく。まず印象的だったのはお米のめちゃめちゃ美味いこと。(コシヒカリ+ササニシキ)÷2といった表現がわかりやすいか。一粒一粒につやがありしっかりと立っており、しかしこわいわけではなくちょうどいい。仲居さんに聞いたところ、いこい旅館専用の田んぼを持っていてそこで作っているとのこと。それと阿蘇の赤牛、馬肉が美味かった。特に馬肉は口の中でとろけてしまった。非常に満足な食事だった。
PM8時30分には日帰り客は帰ってしまう。そこからが勝負!まず最初に宿泊者専用の「桶風呂」へ。ここは離れの建物の三階にある。鍵を開け入ると湯気がすごく湯船が見えないくらい。お湯はちょうどよく泉質は若干薄い気がした。またここはジャグジーが付いていて好みに応じてスイッチを入れると泡が出てくる。開放感はないがプライベート風呂のためゆったり出来て、これは結構お気に入り。
続いて「箱風呂」に入る。真ん中から泡が出ていてジャグジーにようだった。温度はやや熱め。泉質は桶風呂と同じようだった。湯船の下には玉砂利にようなものが敷いてあり結構いい風呂だった。
そして次はやっと空いた宿泊者専用の「かくれの湯」に入る。この時、時計はPM11時を指していた。中に入るととにかく暗い。しかしこのいこい旅館の中では一番好きな湯となった。湯船の半分は寝湯が出来るようになっている。温度はぬるめでゆっくりと長く浸かっても苦にならない。思わず寝てしまいそうになった。
時計をみるとPM11時40分。あと20分しかない。やっと男風呂に切り替わった「桧風呂」に入る。ここもかなり暗い。写真を撮るが上手く撮れない。名前のとおり桧で造られており、なかなかいい風呂だった。温度はやや熱め。さすがにこの時間になると温泉フェチでない限り入浴する客はいないようだ。 AM0時。本日の入浴は終了。ちょっと疲れたかな(笑)。
さっき滝の湯に入っているすきに、我々の部屋に夜食のぜんざいを置いてくれたみたいだ。このようなサービスって何だかうれしく思えるもんだなぁ。
ふとんに入ると数秒で寝てしまったようだった。
結局、朝6時30分に目覚ましをセットしたが起きれず。7時30分に起床。昨夜は小学生の遠足の前にように興奮してあまり寝てなかったので寝不足だったのかなぁ。起きて早速まだ入っていない湯に入ることにする。まずが美人湯に向かう。少し離れにあり廊下からいい雰囲気がある。さすがに朝の黒川は寒い。脱衣所が外にあるため寒い空気がもろに身体へ突き刺さる。まずは美人湯に入る。屋根付きの露天風呂である。お湯の温度はちょうどいい。結構、気持ちにいい湯だ。次に一番奥にある宿泊者専用の蘇の湯に入る。入った瞬間、湯気がすごくて奥まで見えない。掛湯で足と腰部分にお湯を掛け、手前から石風呂、寝湯、うたせ湯の順番に入る。石風呂は若干温度が熱め。寝湯とうたせ湯はちょうどいい。この蘇の湯からみる筑後川は迫力があり結構好きである。
そして最後に立湯に入る。深さは立った状態で脇の下くらいまでくる。温度はぬるめで気持ちがいいが立っているのでゆったりは出来ない。
これでいこい旅館の全ての風呂を制覇した。お湯について、温度の違いはあるものの泉質自体はどの湯もあまり変わらないような気がした。さあ、これから朝飯だ。
腹ごしらえも終わり、チェックアウトをし、いこい旅館を出る。帰りかけに担当に仲居さんに声をかけられ記念写真を撮っていただいた。またここ黒川の明け方の気温はマイナス4度とのことで車のガラスが全て凍っていた。なのでその仲居さんが足湯からわざわざお湯を持ってきていただき全てのガラスにかけていただいた。さすがに一瞬のうちに解けた。
これで黒川温泉は終わり。本当は黒川温泉の他の温泉を湯めぐりしたかったがそれよりもどうしても行きたい温泉があり我慢した。本当にお世話になった仲居さんにお礼をいい、黒川温泉を後にした。
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